ボランティア体験談(2019年 台風19号被災地へのボランティア)

ずっと心に決めていた

ビジネスデザインフィールド ウルジーバト・トグルドルさん(モンゴル)


トゥグさんは今回の災害があってから、すぐにボランティアに参加しましたよね。

何かきっかけがあったんですか?

 

いいえ。きっかけというか、う~ん・・・。

ただ、人間だから。(笑う)

すみません、いい日本語がわからないんですが、

人だから当たり前だと思ったんです。

本当にそれだけ。

でも、ずっと前から決めていたことでもありました。

 

2011年に東日本大震災が日本でありましたよね。

あの時、僕はモンゴルにいて、中学生くらいでした。

僕は自分の家のテレビで、よく被災地の様子や現地の活動を観ていました。

そして、そのときの日本人の様子がすごく印象に残ったんです。

大きな災害が起きたときの日本人の行動がとてもすばらしかった。

それを観て、日本人を尊敬しました。

 

いつか日本に行くことがあって、

そして、もしも大きな災害が起きたときには、僕も何かしようって思いました。

自分にできることがあったら必ず何か自分の力を日本人のために使おうって

ずっと心に決めていました。

 

だから、今回の台風で自分の住んでいる佐野市が被災したときにボランティア活動をすることは、僕にとってすごく当たり前なことだったと思います。

sanotan kokusai 佐野日本大学短期大学 国際交流 災害ボランティア モンゴル

被災地ではどんな活動をしましたか?

 体力を使う仕事が多かったです。

水害で浮いてしまった 部屋のたたみを運び出したり、家具や どろをかき出したり。

あとは被災した方のお宅に行って、掃除をしたりしました。

 

ボランティアをしてみて感じたのは、ここ(佐野)は地域の人たちの人間関係が深いということです。

僕はこの学校に入る前に東京で暮らしていましたが、そことはちがう地域の文化を感じました。

地域の人たちが大変な思いをしているときだから、もっとそれを近くに感じることができたんだと思います。

 

 

地域の人と関われた?

 はい、すごく。僕は日本に来て初めて日本の社会人の人たちと関わりました。

普段の学校生活では絶対にしないような話もしました。

モンゴルにいったことがある方がいて、ボランティア活動の合間に写真を見せてくれたんです。

僕にとって、とてもいい経験になりました。


言葉の その先にあるものは

ボランティア活動をしてみて、逆にトゥグさんが得たものはありましたか?

 正直に言うと、実はボランティアを始める前は不安でした。

外国人は僕だけかもしれない。

日本語が上手じゃないから、説明がわからないかもしれない。

迷惑になったらどうしよう。できなかったらどうしよう、役に立てなかったらどうしよう・・・。

色々考えました。自分に自信がなかったので、たくさん不安なことがありました。

 

でも、この災害ボランティアに参加してよかったです。

日本で、たくさんの社会人の中に入って、しかも災害ボランティアの仕事ができて

だれかが喜んでくれたことがすごく自分の自信になりました。

これ、僕の成長ですよね!!

自信がない自分に勝った!っていうことでしょう?

 

それにボランティアに参加してから、いいことばかりなんです。

例えば、授業でわからないことや困ったことがあったとき、

積極的に周りにいる日本人の学生に聞こうと思えるようになりました。

それから、アルバイト先の店長と、もっと深いことが話せるようになりました。

うれしいですよ。

 

言葉はまだ上手じゃないですけど、

でも、言葉を勉強したり、だれかとコミュニケーションをとることの、その先にあるものは、

「相手を信じられること(信頼)」だっていうことがわかったんです。